正しい理解をせずに発する何気ない一言が、人を嫌な気持ちにさせてしまったり傷つけてしまったりすることが有ります

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は朝から光風流本部いけばな教室で講習会を午前中に1クラス、午後から1クラス開催しました。
毎月開催している講習会で、光風流の現在の中核になる幹部の先生方や、これからの光風流の将来を担っていただく皆さん方を対象にした講習会ですので、皆さんとても熱心な方ばかりになります。

そういう中で受講生の皆さんの真剣な眼差しや熱意、そして取り組む姿勢などを拝見していると、私自身が気づかされたりあるいは感じたりすることが多々ある機会にもなっています。

正しい理解をしていただく事のむつかしさ

先日光風流の方とお話をしているなかで「正しい理解をしていただくって難しいなぁ。。。」と思うことがあったので、今日はそのことについて書きたいと思います。

私共光風流本部では、毎月1回ずつ定例の役員会を開催しています。そしてその役員会において、その月に生まれた役員の方のお誕生日のお祝いを行なっています。
なぜそんな事を行なっているのかというと、いけばなの世界は ”50・60鼻垂れ小僧” と言われる世界ですので高齢の方が多く、人はある程度以上の年齢になると、子供や孫のお誕生日はお祝いすることは多々ありますが、自分の誕生日を祝ってもらうって少なくなってくる様に思うのです。
なので、いつも行動を共にしている仲間ですので、お誕生日をお祝いすることでお互いの友情を深めたいと思い行なっているのです。

そしてそんな中、ある役員の方が「流派のお金をそんなことに使っているのか」と言うご指摘を会員の方から受けられたそうですが、ま、おっしゃられた方も光風流のことを思っておっしゃってくださったのでしょうが、正しく理解して頂くことの難しさを改めて感じる機会になりました。

光風流の役員は、手弁当が基本です

光風流には本部役員と支部役員がおられるのですが、役員の方は基本的に手弁当でお世話をしてくださっています。
なので先に書いたお誕生日のお祝いも、役員がそれぞれにお金を出し合って集めて行なっており、金額は大きくないですがみんなの心がこもったお祝いの品をお渡しさせていただいています。本当に愛に溢れた時間になったいるのです。

また別の日には、光風流で毎年新年会において座る間もなく食事もまともにできない状態でお世話くださった新年会実行委員の皆さんの慰労会を開催したのですが、その時も新年会実行委員の皆さんの食事代は光風流本部でお支払いさせていただきましたが、その時にご同席くださった役員の先生方は各自でお支払いいただく形でご参加をお願いし、ほんとうにもうしわけなくおもっています。

予算には削るべき予算と削ってはいけない予算があります

ちなみに今回の件とは直接関係はありませんが、私は何でもかんでも緊縮財政で予算カットという考え方は、自分の首を絞めると思っています。
例えば一般の企業で言うならば、研究開発にかかる費用って直接的に売り上げに関わってきません。しかしこの費用をカットすると5年後10年後に必要となる商品や技術がなくなり、結局自分の首を絞める様になります。
それと同じ様に、いけばなの流派であっても、何でもかんでも予算を削ると言う考え方をすると、自分で自分の首を絞めてしまう結果になってしまいます。

ただしここで怖いのは、最初にも書きましたがいけばなの世界は50・60鼻垂れ小僧の世界なので、20年先は自分はいないので、そんな先のことよりも今が良ければそれで良いと言う思考をされる方があることです。
自分の弟子や孫弟子のために何を残してあげることができるのか。そしてそれはお金とかではなく、良い思考や良い習慣を良き伝統として残していくことができるようにするにはどうすれば良いのかと考える思考こそが大切だと私は思うのです。

思いつきで話すことの功罪

話を元に戻して、ご指摘くださったその方は、たぶん思われたことを何気なくおっしゃられたのだと思います。なんでも気軽に話すことができると言うのはとても大切なことだと思いますし、それは光風流の良き伝統でもあります。
しかし、気軽に話せると言うことと何を言っても良いと言うことは似て非なることだと私は思うのです。

もし先のお誕生日プレゼントが流派のお金を使って行なわれているのならば、予算の中に上がってきているはずです。ちなみに昨年も行なっておりましたので、昨年の分は決算に上がっているはずです。しかしそんなお金の動きは1円もでていないのですからすこし調べていただいたり確認して頂ければ、流派からの出金はなされていないという事をおわかりいただけると思うのです。

世の大半の方は、周りの方からの言葉で喜んだり傷ついたりなさいます。
私の様に、他の方から何か言われても、その内容を精査して耳を傾けるべき意見は記憶しておき、聞くに値しないバカ意見はさっさと忘れる人間は少ないです。
なので気軽になんでも言うことができるということを、何を言っても良いというふうに間違えた解釈をしない様にしなければ、人を傷つけてしまうことが有るという事を忘れないでいただきたいなぁと思うのです。

たかが何気ない会話、されどその会話の言葉には大きな意味が出てくるのです

私は年を重ねてから感じていることがあります。それは、相手の話をしっかりと聞いているとその方の思考やレベルが把握できちゃう場合があるということです。
すなわち、何でもかんでも思いつくままに口から言葉を発するというのは、自分へも刃が向いてしまう場合があるということです。

自分へ帰ってくるというのは、例えば、あーこの人に私は結局は信頼されていないだなぁ。。とか、なんでも分かっているように仰られたいるけれど本質は理解されていないんだなぁ。。。とか、物事を上辺だけで判断される方なんだなぁ。。。とか、相手に感じさせてしまうことが有るという事です。

話す言葉はどんどん消えてゆきます。しかしだからこそ関係性や信頼関係の違いによって、同じ言葉であっても好意的に聞いてもらうことが出来たりトゲがある様に受け取られてしまったりしてしまうのだと思います。
たかが何気ない会話、されどその会話の言葉には、大きな意味が出てくる場合があるのだと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。