7月の光風流カレンダー「キッチン用品に生ける」は"デキャンタ"を使ったいけばな作品です

こんにちは、内藤正風です。

今日から7月になりました。
今年も上半期を終え下半期に入りましたね。今年の残り半分、今まで以上にしっかりと歩んでゆきたいと思います。

光風流のカレンダーでは、作者の思いや作品の意図を動画でご覧いただく事が出来るようになっています

いけばなの作品は単なる装飾するだけの存在ではありません。作者の思いを形にしたり主義主張が込められていたりしています。
たしかに作品だけを見て楽しんで頂ければいいのですが、作者の意図を知ることによって作品の見え方が変わってきたり、より深く何かを感じることが出来るようにもなりますので、私は光風流カレンダーには ”作者の作品への思い” を動画でご覧いただく事が出来るようにしています。

ちなみにこの動画をご覧いただくには、iPhoneの方は「app Store」、Androidの方は「Google play」から「COCOAR」というアプリをダウンロードしてください。
そしてこのアプリを立ち上げて、「スキャン」という機能で5月のカレンダーの作品を読み取っていただければ、作者の作品への思いや作品作りの苦労話などを動画でご覧いただく事が出来るようになっています。

まだ未体験の方は是非楽しんでみてください。

7月の光風流カレンダーの作品

光風流の今年のカレンダーのテーマは、「キッチン用品に生ける」です

いけばなは身近に存在するものを素材や器にして、お花を生け楽しむ事を古来より行なってきています。
そんな中で
今年のカレンダーでは、私たちの生活に極めて身近なところに位置する ”キッチン用品” を器に用いて1年の催事や季節感を表現しており、その意味でいうなれば、いけばなの原点を振り返りながら新しい事に挑戦しているカレンダーだという事が出来ます。

ということで、7月の作品を紹介させていただきます。

◇作者
菅生 順甫

◇キッチン用品
デキャンタ

◇花材
フトイ、トルコキキョウ、オンシジューム

◇花態
生花

◇敷板
組合せ花台

この作品を生けられた菅生順甫さんから、作品についての一言

キッチン用品に生ける、7月の器「デキャンタ」を担当しました菅生順甫です。

デキャンタにお花を生けるということで、まず器選びから作品作りが始まりました。
あまりデキャンタを家で使ったことが無かったので、デキャンタは決まった形のモノだけではなく色々な形があるという事を知り、どういう形のものが良いか思い悩みました。

個人的には面白い形のものが良いなぁとは思ったのですが、今回私はお生花を担当することになっていましたので、お生花の生けやすい形のモノを選定しないと自分が困ると思い、シンプルな形のデキャンタを選びました。

ガラス製ですがボリュームのある形をしたデキャンタですので、生けるお花にもボリュームを持たせるようにしてバランスをとるようにしました。
そしてガラスはツルツルしていますので、お花を留めるのに使用する配り木が滑って安定しにくかったので、生けるときには苦心をしました。

作品から少しでも涼やかさを感じて頂けると嬉しいです。

菅生順甫さんの光風流カレンダー 生け込み&撮影風景

スタジオで写真撮影のために、カレンダーの作品を制作されている菅生順甫さんの様子もあわせてご紹介させて頂きます。ここでしか見れない未公開映像も含まれています。
音が出ますのでボリュームにはご注意くださいね。

YouTubeでは色々な動画のアップも行っていますので、よければ「チャンネル登録」や「高評価」していただければ嬉しいです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。