新しい月になりましたので、光風流カレンダー「キッチン用品に生ける」の2月作品を紹介します

こんにちは、内藤正風です。

今日は2月1日。朔日(さくじつ)であり、そして旧正月でもあります。
朔日とか旧正月って言うと、なに古臭いこと言っているねんって思われる方も多いかもしれませんが、節目ってついついダラダラとしてしまいがちな日常にメリハリを感じるきっかけになりますし、その事によって心を豊かにしてくれると共に人生を豊かにしてくれますので、私は無くてはならない大切なものだと感じています。

日本人が節目を尊ぶのは、心がダラダラしてしまわないようにするためです

日本では古来より、月末を晦日(みそか)、そして月の始まりを朔日として特別なものとしてきています。
それは月末の晦日に良い事も悪い事も一旦リセットして、良い出来事にいつまでも浮かれておらず悪い出来事にいつまでもくよくよせず、月初めの朔日から新たな気持ちでスタートするという事なのです。

この考えは年末の最後に除夜の鐘で厄払いを行ない新年最初の氏神様へのお参りを行なう、大晦日や初詣が象徴的なので分かりやすい事例だと思います。
今風に言うならば「リセット」、古来からの良い方ならば「白紙に戻す」という事です。

このようにして日本は節目を上手に取り入れる事によって気持ちの切り替えを行ない、心がダラダラとして仕事や生活や伝承などが途切れてしまう事が無い様にしてきたのだと思います。
すなわち「生まれ変わりによる永続性」を大切に考えているという事であり、これは伊勢神宮の式年遷宮などにも通じる日本の特徴的な考え方でもあるのです。

光風流のカレンダーも、今日から新しい作品になります

光風流の今年のカレンダーのテーマは、「キッチン用品に生ける」です。
いけばなは身近に存在するものを素材や器にして、お花を生け楽しむ事を古来より行なってきています。そんな中で今年のカレンダーでは、私たちの生活の極めて身近なところに位置する ”キッチン用品” を器に用いて1年の催事や季節感を表現しており、今日から2月の作品をお楽しみいただくようになっています。

2月の光風流カレンダーの作品

それでは2月の作品を紹介させていただきます。

 

◇作者
増岡 由香甫

◇キッチン用品
泡立て器

◇花材
バラ、カーネーション、ストック、スイートピー、レザーファン、カスミソウ

◇花態
投入

◇敷板
組合せ花台

この作品を生けらた増岡由香甫さんから、作品についての一言

2月のテーマは泡だて器です。

大・中・小の色々なサイズの泡立て器を用意しましたが、どのように使えば泡立て器の存在感が出せるのか、あるいは泡立て器に合う花器はどのようなものにするのが良いか、そしてお花は何を使おうかと大変悩みました。
試行錯誤の結果、2月ということで一番最初に思い浮かんだのはバレンタインデーでしたので、私の大好きな人たちに愛と感謝の気持ちを込めてチョコレートを作る様子をイメージしてこの作品が生まれました。

愛の象徴とされるバラを用いると共に、チョコレートを作る時のワクワクした気持ちをスイートピーやカスミソウで表現し、ワクワクしながら楽しくお花を生けることができました。
この作品を通して私の気持ちが皆様に伝われば、嬉しく思います

増岡由香甫さんの光風流カレンダー 生け込み&撮影風景

スタジオで写真撮影のために、カレンダーの作品を制作されている増岡由香甫さんの様子もあわせてご紹介させて頂きます。
音が出ますのでボリュームにはご注意くださいね。

YouTubeでは色々な動画のアップも行っていますので、よければ「チャンネル登録」や「高評価」していただければ嬉しいです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。