いけばなは「出来上がった花」だけじゃない | その場所と時間を彩る、いけばなの可能性
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
先日、いつも光風流の作品の写真撮影でお世話になっている、栄光社の宮本博文さんの黄綬褒章のお祝い会がありました。そのオープニングセレモニーで、ヴァイオリンの西山枝里さんと、ピアノの加門祐香里さんによる生演奏とともに、いけばなのデモンストレーションを約10分間させていただきました。
お祝い会がスタートしてすぐ、音楽が流れる中で、目の前で花が生け上がっていく。普段とは少し違った「いけばなの時間」を、会場に居られる皆様にご覧いただく機会になりました。
いけばなは「家で生ける」「展覧会に展示する」だけではない
「いけばな」というと、家で花を生けたり、展覧会に作品を展示したりするものだと思っておられる方が多いのではないでしょうか。もちろん、それもいけばなの大切な姿です。
でも、いけばなには、それ以外にも色々な可能性があります。例えば、舞台を彩ったり、商店や企業の玄関や部屋を彩ったり、イベントの空間を彩ったり。
そして今回のように、皆様がご覧になられている目の前で、作品が生け上がっていく過程そのものを楽しんでいただくということも、いけばなの楽しみであり、魅力であり、可能性でもあるのです。
「出来上がった花」だけではなく「出来上がっていく過程」も楽しんでいただける
今回のデモンストレーションでは、花が生け上がっていく様子を、音楽と一緒に見ていただきました。ちなみにいけばなを見て楽しむというと、展示されている作品を見る、つまり完成した作品を見るという事になります。
しかしデモンストレーションでは、最初は何もなかったところに、枝を入れ、花を入れ、少しずつ形が出来上がっていきます。「次はどうなるんだろう」そんなふうに、出来上がっていく時間を楽しんでいただくことが出来ます。
ちなみに私は、この世にある全ての物に「過程を楽しむ」という要素が、必ずあると思っています。皆さんもよくご存じの「NG集」などはその最たるものです。ドラマや映画の制作過程で起こった失敗や、思わず笑ってしまう場面に価値があるから見せているものですよね。
そしてこの「過程の魅力」というのは「いけばな」にももちろんありますし、いけばなデモンストレーションは、正に出来上がってゆく過程を限られた時間の中で楽しんでいただくものに他ならないのです。
いけばなは、その場所や時間を彩ることが出来る
これは私がいつも申し上げている事ですが、いけばなは花だけを飾っているのではありません。
花を生けることで、その場所の雰囲気が変わります。舞台なら舞台を彩り、玄関なら訪れる人を迎える空間を彩り、イベントならその時間そのものを彩る。
そして今回のような場では、音楽と一緒になって、その場にいる皆さんと一つの時間を作ることも出来る。そう考えると、いけばなには、まだまだ内包された可能性が沢山あると私は思うのです。
花を生けるということは、花を綺麗に見せるだけではありません。「人が集まる場所を彩り、人が過ごす時間を彩る。」そんなところにも、いけばなの魅力があるのです。
今回のデモンストレーションを通して、「いけばなの魅力を、もっともっと沢山の人に知ってもらいたいなぁ。」と改めて感じる機会になりました。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。




