いけばなのお稽古を通じて思った、学びの3ステップ
こんにちは、内藤正風です。
今日は朝から、光風流の幹部並びに未来の幹部に皆さんを対象にした講習会を開催しました。
今回の講習会では、基本をより高いレベルで習得して頂くためのカリキュラムを行なったのですが、その時に「学びの3ステップ」の事についてブログに書こうと思ったので、今日はその事について取り上げたいと思います。
学びの最初のステップ
学びは3つのステップを経て身に付ける事が出来るのですが、その最初のステップは「学んだ」という段階になります。
人は知らない事を知識や技術として習得しようとすると、教えを乞う事からスタートします。それがすなわち「学んだ」というステップです。
たとえば自転車に乗れるようになろうと思って乗り方を教えてもらう場合に、最初はこれがブレーキだよとか、これがペダルだよという風に教えてもらい、そして両手でハンドルをもって少し向こうを見ながらペダルを踏むんだよという風に教わります。
そして後ろを支えてもらいながら乗る練習をするのですが、これらが「学んだ」というステップになります。
言い方を変えれば「教えてもらった」「やってみた」という状態になります。
すなわち教えてもらったことが有るという状態ですので、出来る様になっているどころか理解すらまだできていない状態になります。
学びの2番目のステップ
「学んだ」の次のステップは「理解した」という段階になります。
「学んだ」という段階は、教えてもらったというだけの事で、教わったことが腑に落ちるというかなるほどという状態にはなっていません。
すなわち先ほどの自転車に乗る練習で言うと、ハンドルについているのはブレーキで止まるときに使うもので、右手は後ろブレーキで左手は前ブレーキになり、左手をあまり強くブレーキをかけると前輪がロックして滑ってコケる場合があるということや、ペダルを漕ぎ始めるときには右のペダルを一番高いところに持ってきておいて踏み込むと漕ぎやすいとか、ハンドルは軽く手を添えるような感じで軽く持ったほうが良いとか、視線は5mほど先を見る様にするというような、自転車に乗るために必要な事柄が自分で意識することが出来る様になっている段階になって初めて理解したという事になります。
この理解したという段階になるためには何度か練習を繰り返しながら、運動と結び付けた学びを通じて覚えてゆくステップになり、昔から言われる「体で覚えてゆく」という事も不可欠になります。
学びの最終段階
そして理解することが出来たならばいよいよ最終段階、「習得した」というステップに入ります。
ちなみに「習得した」と「理解した」って同じ事やんって思われる方もあるでしょうが、これらの一番大きな違いは頭で考えながら出来ているか無意識で出来る様になっているかという事になります。
先ほどの自転車の例で言いますと、自転車に乗れるようになった最初はハンドルを軽く持ってとか遠くを見る様にしてとか意識しながら乗っていますよね。しかし完全に習得してしまったらそんな事いちいち考えていないですし、逆に何も考えずに自転車に乗っていると思うのです。
これこそがまさしく習得したという事になります。
いけばな上達の秘訣
いけばなもまさにこのステップを踏みながら上達していくので、いけばなをお稽古されている皆さんで早く上達したいと思われる方は、それぞれのステップごとに以下の点を意識されると良いと思います。
まず「学び」のステップでは、先生の言う事をとにかくそのまま覚えようとすることです。この段階では変に考えたりする必要はありません。
次に「理解する」段階では、とにかく学んだことを意識しながら繰り返すという事です。え~っと。。って考えないと出来なかったことが繰り返すことによって理解が深まるようになるのです。
そして最終段階の「習得」の段階では、とにかく自然に身体が動くようになるまで何度も何度も行なう事が不可欠であり、とにかく四の五の言わずにやり続ける事が一番大切なのです。
という事で、今日のブログが、光風流で学ばれている皆さんの早い上達のお役に立つことが出来れば幸いです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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