門松や注連縄、そしてお花は単なる装飾ではありません。30日中に飾っておかないと意味が無くなってしまうってご存知ですか
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こんにちは、内藤正風です。
今年もあと1日となり、いよいよお正月に向けてカウントダウンが始まりました。
日本における ”お正月” は、バケーションではなく「祭礼」です
皆さんはお正月に、門松や注連縄を飾られますか?もう面倒くさいからしない。。。って人も多いんじゃないかと思います。
けれどお正月の門松やしめ縄、そしてお花は、家族やお店や会社の従業員の皆さんが幸せになるために絶対に欠かしてはいけない祭事なんです。
単なるお正月気分を盛り上げるための装飾品ではありません。
そもそもお正月というのは、それぞれのお家に幸せを呼び込んでくれる”歳徳神”をお迎えする一大イベントなんです。
”歳徳神”って聞くと、そんな小難しげなの知らん。。。って思われるかもしれませんが、”歳徳神”って言うのは特定の神様をさす言葉ではありません。
地域の氏神様であったり、そのお家のご先祖様であったり、台所の神様やトイレの神様というようなお家に関係する神様などの総称としての言葉なのです。
歳徳神は1年任期
この歳徳神は1年毎の赴任制になっていて、任期は1月1日から12月31日で、毎年新しい歳徳神が担当をされているのです。
この新しい歳徳神が新任として着任なさるのが、12月30日の日没になります。なぜ30日の日没に新しい歳徳神が来られるのかというと、理由は2つあります。
1つ目は、日本の古くからの考え方における1日は、日没から始まり翌日の日没前で終わると考えられているという事です。すなわち30日の日没が31日の始まりだという事です。
そしてもう1つの理由は、前任の歳徳神と後任の歳徳神で12月31日に1日かけて引継ぎをするからなんです。このお家はこんなだよとか、こういうところ注意が必要だよって。
だから古来より注連縄とかは31日に飾る一夜飾りはいけないって言われているんです。
だって新しい歳徳神が来られる12月30日の日没に門松や注連縄やお花の準備が出来ていないって事は、新しい歳徳神を迎える事が出来ずに済んでしまうって事になっちゃうのです。
お家にお花を生けるだけで歳徳神に喜んでもらう事が出来、良い一年を迎える事が出来るのです
こんなふうに新しい歳徳神をお迎えするにあたって、歳徳神に来て頂く時の目印になる様に立てているのが「門松」ですね。
そして新しい歳徳神様をお迎えするに相応しく穢れを払っていますよと言う象徴が「注連縄」です。
そして歳徳神様が来られた時の依り代として「松を使ったお花」を生けているのです。
来たる新しい年が素敵な年になるように願われるのであれば、12月30日の日没までに注連縄をつけ、松1本でもいいので門松を立て、お家にお花を生けておくのが良いと思います。
綺麗に生けなくていいです。豪華なお花である必要はないです。心を込めて生けていればいいのです。
ご家族や従業員の幸せのスタートは、こんな小さなところから始める事が出来るのです。
12月29日も避けたほうが良い
ちなみに12月29日はお飾りなどを飾ってはいけないと言ういわれもあります。
これは、29日は「9」の文字が「く」とも読めますよね。
すなわち「9」→「く」→「苦」→「苦しむ」に繋がるから避けるという言い伝えによるものです。
日本では古来より「4」は「し」とも読みますので、「死」につながることから避けられる数字ですし、それとともに「9」も避けられる数字でもあるのです。
お正月飾りは28日か30日までにしましょう
門松は松1本で十分です。注連縄は小さなものでOKです。お花は松に好きなお花を取り合わせて、コップに挿しておくだけでいいのです。
ご家族の幸せ、会社やお店の従業員の皆さんの幸せのために、12月28日までか30日の日没までに飾ってくださいね。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。