9月の光風流カレンダー「キッチン用品に生ける」は"ピッチャー"を使ったいけばな作品です
目次
こんにちは、内藤正風です。
朝晩はだいぶん気温も下がって過ごしやすくなってきましたが、とはいえお天気が良いとお昼間はまだまだ暑くて、当分は熱中症などに注意をしないといけない日々が続きます。
そんな中、今日から9月になり光風流のカレンダーの作品が新しくなりましたので、作品や作者や作品への思いなどを紹介させて頂きます。
光風流のカレンダーでは、作者の思いや作品の意図を動画でご覧いただく事が出来るようになっています
いけばなの作品は単なる装飾するだけの存在ではありません。作者の思いを形にしたり主義主張が込められていたりしています。
たしかに作品だけを見て楽しんで頂ければいいのですが、作者の意図を知ることによって作品の見え方が変わってきたり、より深く何かを感じることが出来るようにもなりますので、私は光風流カレンダーには ”作者の作品への思い” を動画でご覧いただく事が出来るようにしています。
ちなみにこの作者自身の言葉で作品についてお話しされている動画をご覧いただくには、光風流カレンダーをお買い求めいただき、iPhoneの方は「app Store」、Androidの方は「Google play」から「COCOAR」というアプリをダウンロードしてください。
そしてこのアプリを立ち上げて、一番下に表示される「スキャン」という機能で今月(9月)のカレンダーのいけばな作品を読み取っていただければ、作者の作品への思いや作品作りの苦労話などを動画でご覧いただく事が出来るようになっています。(下の写真はiPhoneのものになります)
まだ未体験の方は是非楽しんでみてください。
9月の光風流カレンダーの作品
光風流の今年のカレンダーのテーマは、「キッチン用品に生ける」です
いけばなは身近に存在するものを素材や器にして、お花を生け楽しむ事を古来より行なってきています。
そんな中で今年のカレンダーでは、私たちの生活に極めて身近なところに位置する ”キッチン用品” を器に用いて1年の催事や季節感を表現しており、その意味でいうなれば、いけばなの原点を振り返りながら新しい事に挑戦しているカレンダーだという事が出来ます。
ということで、9月の作品を紹介させていただきます。
◇作者
仲田 鈴甫
◇キッチン用品
ピッチャー
◇花材
トクサ、クルクマ、キク、オンシジューム、ブルーファンタジー、リンドウ、トウガラシ
◇敷もの
布
◇花態
投入
この作品を生けられた仲田鈴甫さんから、作品についての一言
こんにちは。
今年の光風流カレンダーはキッチン用品に生けるということで、私はピッチャーにお花を生けました。
ピッチャを使ってお花を生けたり、カレンダーに掲載する作品の写真撮影をしたりという経験は初めてでしたので、色んなお花を使って作品を生けながら自分なりに楽しむことが出来ました。
作品はピッチャの存在感に合わせてトクサを主になるように合生体(ごうせいたい)という生け方にしました。そしてその周りにオンシジュームやキク、クルクマ、ブルーファンタジー、リンドウなどを入れて彩りと形を整えるようにしました。
9月は暦の上では秋になっていますがまだまだ暑いので、器の中に水色の玉を使って涼しさを感じることが出来るようにしながら9月の花らしく可愛く作品を仕上げました。
器の下に敷いている敷物は、私の地元の西脇市を中心とした伝統産業であり世界的にも有名な「播州織」を用いてピッチャーの風情に合うようにしました。
仲田鈴甫さんの光風流カレンダー 生け込み&撮影風景
スタジオで写真撮影のために、カレンダーの作品を制作されている仲田鈴甫さんの様子もあわせてご紹介させて頂きます。ここでしか見れない未公開映像も含まれています。
音が出ますのでボリュームにはご注意くださいね。
YouTubeでは色々な動画のアップも行っていますので、よければ「チャンネル登録」や「高評価」していただければ嬉しいです。
内藤正風PROFILE
-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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