令和4年最初の光風流カレンダーの作品を紹介いたします。今年は「キッチン用品に生ける」をテーマにした作品で1年を彩ります

こんにちは、内藤正風です。

今日は1月2日。書き初めや初荷、初夢、初売りなど色んなことが行われる日になります。

日本人が節目を尊ぶのは、生まれ変わりによる永続性を大切に考えるからです

日本では古来より、大晦日から元旦になるときに除夜の鐘で厄払いを行ない、世の中をいったん「0」の状態にすると考え行なわれてきています。
今風に言うならば「リセット」、古来からの良い方ならば「白紙に戻す」という事です。

そんな日本には、初めての事や物を大切なものと位置づけて「初物」として特別扱いする風習があり、なので年が改まって1年の最初に行なう事に「初」の文字をつけて、節目として特別なものとして扱うようになっているのです。

ではなぜ白紙に戻すことや初物を尊ぶのかというと、そこには式年遷宮などに代表される「生まれ変わりによる永続性」を大切に考えているという事があるからなのです。

光風流のカレンダーも、新しいテーマで1年を彩ります

光風流の今年のカレンダーのテーマは、「キッチン用品に生ける」です。

いけばなは身近に存在するものを素材や器にして、お花を生け楽しむ事を古来より行なってきています。ちなみに一例をあげるならば、籠(かご)や釣瓶(つるべ)は日用品ですし、鼎(かなえ)や尊式(そんしき)は古代中国から伝わってきた酒器や食器や祭礼に使う器がもとになっています。
なので今年のカレンダーでは、私たちの生活の極めて身近なところに位置する ”キッチン用品” を器に用いて1年の催事や季節感を表現することといたしました。

1月の光風流カレンダーの作品

それでは今年最初となるカレンダーの作品を紹介させていただきます。

 

◇作者
古川 純甫

◇キッチン用品
重箱

◇花材
ワカマツ、ウメ、ハボタン、カーネーション、スイートピー、センリョウ

◇花態
盛花

◇敷板
長方形花台

この作品を生けた古川純甫さんから、作品についての一言

1月を担当させていただきました、古川純甫です。

年始め、日本古来の和食器である重箱を器にした作品を作り上げました。一の重と二の重に生けたお花につながりを持たせ一体感を感じる作品にすることにとても苦心しました。

皆さんが楽しいお正月を迎えられるようにイメージした、プリティで可愛いお花の色合いを見ていただけたら嬉しく思います。

まだまだいけばな経験の少ない私ですので、作品作りや写真撮影の間は終始不安と緊張の連続でした。でも貴重な体験をさせていただいたことに感謝いたしております。
ありがとうございました。

古川純甫さんの光風流カレンダー 生け込み&撮影風景

スタジオで写真撮影のために、カレンダーの作品を制作されている古川純甫さんの様子もあわせてご紹介させて頂きます。
音が出ますのでボリュームにはご注意くださいね。

YouTubeでは色々な動画のアップも行っていますので、よければ「チャンネル登録」や「高評価」していただければ嬉しいです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。