いけばなの上達に「量」が必要な理由 | 質を高めるのは地道な積み重ね

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

昨日は光風流本部いけばな教室のお稽古日でした。9月の末に展覧会形式の勉強会を開催しますので、最近のお稽古はこの時に展示するモデル作品の指導をさせて頂くのが、多くなってきています。

その様な中で、「質」を高める為には「量」が絶対に不可欠であるという事を日々感じておりますので、今日はそんな事についてブログを書きたいと思います。

「質」を作り上げるのは「量」

「”質” と ”量” のどちらが大切か」という議論が有ります。そしてこの質問をされたら「 ”質” が大切だ」と言われる方の方が多いのではないでしょうか。

たしかに何かを作り上げるという行為の最終的に目指すべきは「質」です。「質」の悪い作品がどんなにたくさんあろうと不出来は不出来です。
レベル1の質の作品が10000あっても、レベル1には変わりないのですから。その意味でいうならば「質」が大切だという事が出来ます。

しかし「質」の高い作品を求めるのであるならば、まずは「質」よりも「量」を重視しなければならないと思うのです。なぜならば「質」は「量」をこなしてこそ生み出されるものに他ならないからです。

飽きるレベルではまだ「量」をこなしたとは言えない

最初から「質」を求めても、まあ思うようにはいかないです。だって高い「質」のモノを生み出すためには、知識や技術、そして経験や慣れが必要になるからです。
こういう知識や技術、経験や慣れというものを身につけるためには方法は1つしかありません。それは「量」をこなすという事です。

これは ”いけばな” だけの話ではなく、絵画や書、陶芸、彫刻、写真、スポーツ、全てのモノに当てはまることだと思います。とにかく1つでも多くの「量」をこなす事が大切なのです。
”飽きる” という言葉がありますが、飽きるレベルではまだ「量」はこなせていないと思います。飽きるのを通り過ぎて勝手に体が動くレベルにまで達して、初めて「量」を語ることが出来るのではないかと思います。

誰かと競う事に意味はない

「量」を語る際に、もう1つ忘れてはならないことが有ると思っています。それは、「量」の判断を他の人と比べて判断しないという事です。

人はついつい周りと比較してしまいます。「○○さんよりも私の方が上手」みたいな考え方です。しかしこの考え方をしている限り、高みに上る事はできないと思うのです。
だって比較対象にしている人が世界一の人ならばいいでしょうが、それ以外は高みに上る途中で終わってしまうという事ですし、そもそもスポーツなどの様に勝ち負けのハッキリしているものならば分かりやすいでしょうが、いけばなや陶芸や書や絵画という様な好みに大きく左右されるようなものは、誰かと比較する事自体が意味をなさないと思うのです。

そうなってくるとここで求められるのは他人との比較ではなく、自己成長以外にはないという事なのです。昨日の自分を今日の自分は、たとえ0.1mmでも0.01mmでも成長する事が出来たかという基準です。

自己成長を求めて地道に積み重ねてゆく「量」こそが、成長の近道です

この度の展覧会形式の勉強会のモデル作品作りでも、ハッキリと形になって現れています。
他の人より私は上手だと思っている人は、お稽古をおろそかにされます。一方、少しでも理解を深めたいとか自己成長をしたいと思っておられる方は、地道なお稽古に取り組まれています。

大切な事ですので、もう一度言います。
他人と比べずに自らの成長をひたすらに求めておられる方は、着実に成長上達なさっておられます。他の人と比べて自分は上手だと思い地道なお稽古を避けておられる方は、成長どころかご本人が気が付かない間に退化しています。
「量」をこなすからこそ「質」を高めることが出来るのです。その場しのぎや適当な逃げから自己成長は絶対にありえないのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。