便利な時代だからこそ、いけばなを | 自分で考え、試行錯誤する力を育てる
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
最近、なんとなく感じていることがあります。それは、分からないことがあればスマホで調べればすぐに答えが出てくる。長い文章を読むのが大変なら、AIに要約してもらえば、簡単に内容を知ることが出来る。もちろん、これはとても便利なことです。
けれど便利になりすぎたがために、人間の能力が低下している様に思うのです。我慢ができなくなっている。根気が無くなってきている。という事を感じるし、特に世の中に順応しやすい若い世代に、その傾向が強く現れている様に思うのです。
昨日、ある団体の集まりに出席していたのですが、その中で同じような事を副会長が話されており、「私と同じことを感じている人が身近に居られるんだな」と感じたので、今日はそんな事について、ブログを書きたいと思います。
自分で考えたり試行錯誤する事が人を育てる
便利になること自体が悪いわけではありません。世の中が便利になっていくのは、進歩進化に他ならないですし、これから先もこの流れはどんどん進んでいくのは間違いありません。でも私は、そんな時代だからこそ、人間が自分自身で身につけておかなければならないというか、大切にしないといけないものがあると思うのです。
ちなみにそれは、自分で考えるということや。分からないことがあれば手間を惜しまずに調べるという事です。
何でもすぐに答えを見つける事ができるようになってしまうと、「自分で考える」という時間が少なくなってしまいます。
「どうしてだろう」「こうしたらどうなるんだろう」「じゃあ、こうしてみよう」と、自分の頭で考えて、試してみる。そして、やってみたけれど上手くいかなかったら、また考える。
私は、こういう経験が人を育てていくのだと思っています。
思い通りにならないからこそ、身につくものがある
いけばなをしていると、思い通りにならないことがたくさんあります。枝が思った方向に向いてくれない。花が思ったところに留まらない。「こうしたい」と思ってやってみたけれど、何だか違う。そんな時に、「出来ないからやめよう」と思ってしまったら、そこで終わりです。
そんな時こそ「じゃあ、どうしたらいいんだろう」と考えて、枝の向きを変えてみたり、切る位置を変えてみたり、別の方法を試してみる試行錯誤こそが、先に進むことが出来る唯一の方法なのです。
この一連の、やってみる。失敗する。またやってみる。という積み重ねがあるからこそ、少しずつ出来るようになっていくのですし、この思考や行動は、いけばなの技術の習得だけの役に立っているのではなく、こういう事を通じて、自分で考える力や、思い通りにならない時にすぐに投げ出してしまわない力も、同時に養われ、人間的な成長にもつながっているのです。
便利な時代だからこそ、いけばなを
これは若い世代だけの話ではありません。大人や熟年や老人だって同じなのです。
「分からない」を理由にして、すぐにやめてしまう。上手くいかない事を理由に、すぐに別の簡単な方法を探そうとする。思い通りにならないので、「自分には向いていない」と理由を付けてやめてしまう。そんなことを繰り返していたら、自分で考えたり、試行錯誤したりする機会はどんどんなくなってしまいます。そしてその結果、我慢も辛抱も出来ない体質になってしまうのです。
計算はアレクサに聞けば答えを教えてくれる。長い文章を頑張って読まなくても、AIで要約すれば簡単に理解できる。分からない事は、検索すればすぐ答えが出てくる。そんな風にドンドン便利になっていく今の時代だからこそ、「いけばな」には大きな価値があると私は思うのです。
花を見て、自分で考える。実際に手を動かしてみる。思ったようにならなければ、もう一度やってみる。失敗したら、そこからまた考える。すぐに答えが出せなくても、我慢して出来るようになるまで続けてみる。
こういう経験は、スマホで検索してもAIに答えを出してもらっても、代わりに身につけることは出来ません。
便利なものは、どんどん使えばいい。でも、便利なものに自分自身の「考えること」や「試してみること」まで任せてしまってはいけないと思うのです。
これからの時代、子供にとっても大人にとっても、自分で考え、試行錯誤し、失敗しながら身につけていくという事を手軽に体感し、そして学びや自己成長の機会とする事が出来るのは「いけばな」だと思うのです。
その意味でこれからの世において、「いけばな」が果たすべき役割は、これまで以上に大きくなってくるし、ますます必要とされるものになっていくと私は思っています。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。




