姫路KCCの駐車場が廃止されるという張り紙を見て思う、文化センターも一定の役割を果たし終え、これから次の段階に入るのかなぁという事
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
先日、私が姫路で開催している教室の「神戸新聞文化センター(姫路KCC)」に、こんな張り紙がされていました。
いや~、姫路は都会ではないので同じ姫路市内からでも車で会場に来られている方が多いのに、ついに姫路KCCもこんな状況になってきたのだなぁと思いました。
ついに「終わりの始まり」がやってきたのか
近年、〇〇カルチャーセンターや〇〇文化センター、あるいは地域の公民館活動というような、文化センターと呼ばれる施設が、どんどん縮小したり閉館したりしています。
私が教室を開催していた神戸新聞文化センターの加西KCCも数年前に閉館しましたし、現在開催している姫路KCCも教室数の減少は数年前から始まっており、駐車場は数年前から台数が少しずつ減っており、ついに今月いっぱいで廃止されるなど、これらの文化センターと呼ばれる施設は、高度成長期以降、日本の社会教育や文化活動の拠点として重要な役割を果たしてきたのは事実ですが、今、その存在意義や運営形態が問われる状態になっていると思います。
この様な事から、正直、私自身も、いよいよ地方における文化センターの「終わりの始まり」が見えてきているのかもしれないと、肌で感じています。
皆さんが求めるものが変ってきている
高度成長期、日本は急速な経済発展と共に、都市化が進行しました。それに伴い、伝統文化の継承や、文化のすそ野を広げるという事が課題となり、文化センターや公民館活動は、市民が集い、学び、交流する場として設立されました。これらの施設では、趣味や教養を深める講座、地域の祭りやイベントの企画運営、さらには防災訓練や健康増進活動など、多岐にわたるプログラムが提供されてきました。これにより、地域の連帯感や社会教育の推進に大きく寄与してきました。
しかし近年の少子高齢化やライフスタイルの多様化などにより、これらの施設の利用者数は減少傾向にあります。特に、婦人会と呼ばれる組織体では、高齢化に伴う会員数の減少や、若年層の参加意欲の低下が顕著で、婦人会を解散した地域が多数存在しているのも事実です。
このようにして考えると、これまで文化センターや公民館活動が担っていた「地域で身近に手軽に文化に触れることが出来る」役割は今ではあまり求められなくなり、皆さんが現在求めている文化との向き合い方が変わったという事だと思うのです。
試行錯誤と模索こそが、次代へ歩みを進める唯一の方法
私たち ”いけばな” に携わる者も、「昔はよかった。。」「昔はみんな ”いけばな” のお稽古に来たものなのに。。」などと言っていても明日への道は開けませんので、これらの変化を前向きに捉え、柔軟かつ創造的なアプローチで活動を展開していくことが求められていると思います。
”いけばな” が必要とされなくなったわけではありませんし、”いけばな” の魅力がなくなったわけではありません。地域ごとに求められているいけばなの役割が多様化しているという事であったり、時代の流れの中でいけばなが果たすべき役割が変化してきているという事でもあります。
自己改革は一番難しい事に外なりませんが、いけばなが文化センターと共に沈んでゆくようなことにならない様に、試行錯誤や模索をしながら新しい取り組みにチャレンジしてゆかなければならないと思います。
内藤正風PROFILE

-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。