〆切を「間に合えばよいもの」と思っているから、完成度がいつまでたっても高くならないのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は「〆切の捉え方」という事について書きたいと思います。この〆切の捉え方を間違えていると、完成度は高くならないし、時間に追いかけられないといけなくなるのです。

〆切は守ればよいものではない

皆さんは「〆切」と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。一つの節目。守らなければならないモノ。最終期限。その人によっていろいろな捉え方があるでしょう。
そんな中で、私が絶対に間違いだと思う捉え方があります。それは「間に合わせれば良い期日」という理解です。

なぜそんな風に思うかというと、〆切までにとにかく間に合わせればよいという考え方は、学生時代の宿題の提出と同じで、良かろうと悪かろうととにかくその期日までに提出さえすればよいという考え方だからです。
ハッキリ言ってこの感覚を持っている方は、良い仕事が出来ない人だと言わざるを得ないと私は思っています。

〆切に間に合えば良いと思っているから、完成度が高くならない

〆切には様々なものがありますが、ここでは"いけばなの作品作り"や"原稿づくりや企画書作成"などを例にして取りあげたいと思います。
いけばなの作品作りや原稿づくりや企画書作成などは、作り上げたり書きあげて完成ではありません。作り上げたり書き上げたりしてから、加えたり削ったり修正を行なったりして完成度を高めてゆく作業が不可欠です。というか、私は作り上げたり書きあげたりする作業よりも、加えたり削ったり修正を加えたりする時間のほうが大切だと思っています。

作り上げたり書きあげたりする作業というのは、とにかく生け上げたとか書き出したという状態に過ぎません。なのでこの状態では完成度の高いものとはいえない状態ですし、時にはおかしなことをしてしまっている場合もあります。
したがって作り上げたり書きあげた後には、一定の期間を設けて何度も確認し、練り上げ完成度を高くする期間が不可欠なのです。

先日も、来年度版の光風流カレンダーの校正を行なったのですが、明らかに、この練り上げるための時間が不足していました。
それは、植物の名称一つをとっても、通称と正式名称があったり、植物だけに限らず生物には「界・門・網・目・科・属・種」というカテゴリーが存在しており、これらをちゃんと調べて確認しなければ、そもそも間違った名称を記載してしまっている場合も起こってしまうのです。
ところが締め切りに追われてしまうと、これらの確認をしっかりと行なう事が出来なかったり、大体で終わらせてしまうようになります。

ちなみに来年度版の光風流カレンダーの校正は、間に合わすことが出来た状態ではありますが、他の作業や用事を後回しにして完成させたという状態でしたので、全てをもう一か月早く動かしていっていれば、時間に追いかけられることなく練り上げることができていたのは言うまでもありません。

締め切りに間に合えば良いと思っているから、軌道修正ができない

少し例を変えて考えてみましょう。イベントなどを開催する場合にも当然〆切があります。そしてその〆切も、企画段階での〆切、申し込みなどの〆切などなど、イベントを開催するにあたっては様々な〆切があります。

例えばそんな中で企画段階の〆切を例にしてみますが、企画を締め切りギリギリに提出したとします。そしてその企画に予算的に絶対に無理な内容が含まれていたとしたら、企画の一部、あるいは大半を見直さないといけなくなります。そうなった場合、締め切りギリギリに企画が提出されていたらどうなるでしょう。
答えは2つしかありません。
1つは、企画を修正する期間がないので、そのまま予算的に破綻しているのに見切り発車して、大きな借金を抱える。
2つめは、とにかく企画の修正を行ない、〆切を過ぎてしまう。

ま、いずれにしても、信頼を失うことになるのは間違いないと言えるでしょう。

その〆切、本当に間に合っていますか

どうでしょう。〆切は間に合えば良いということではない、ということをお分かりいただけましたでしょうか。

そして最後にもう1つ。
〆切はその期日にとにかく間に合えば良いと思っている方に限って、〆切に提出したものの完成度が低かったり出来が悪かったりして、仲間や上司や先輩が時間を割き時には胃が痛くなるような思いをしながら修正し、やっとなんとかなっているということに気づいていなかったりするパターンも多い様に思います。

あなたが思っているその〆切、本当に間に合っていますか?〆切はその期日に間に合えば良いと思っている方、要注意ですよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。