期限ギリギリに仕事をするのは悪いこと? |「余裕」を作る仕事の進め方

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは。内藤正風です。

最近、光風流の役員の先生の中に、ギリギリ行動をなさる方がおられるので、今日は、「期限ギリギリの行動によるメリットとデメリット」という事について考えて見ました。

ギリギリ行動によるメリットとデメリット

今回のブログでは、「期限ギリギリにやる人は怠けている」「余裕を持ってやる人は優秀」という一方的な論理を押し付けようとする話ではありません。
なぜなら、ギリギリで行なうことには、担当者ご本人にとってのメリットもありますし、組織にとっても一概に悪いと言い切ってしまうのも早計だと思うからです。

なので今日は冷静な検証として、「担当者」「周囲」「組織」という3つの視点から考えてゆきたいと思います。

担当者ご本人から見た場合

担当者ご本人から見た、余裕を持って行うメリットについて考えてみると、次のような事が挙げられると思います。
・心理的な余裕が生まれる
・一度作ったものを見直す時間が取れる
・間違いや抜け漏れを修正できる
・より良い方法を考える時間がある
・突発的な仕事が入っても対応できる
・他人からの確認や助言を受ける余裕がある
・「間に合うだろうか」というストレスが少ない
特に重要なのは、「完成させる時間」と「良くする時間」を分けられることです。期限ギリギリの場合は、完成させるだけで精一杯になり、「もっと良くする」という工程が失われます。

では、余裕を持って行うデメリットについて考えてみると、次のような事があると思います。
・時間をかけすぎる
・完璧主義になってしまう
・「まだ時間がある」と思って先延ばしする
・本来必要のないところまで手を入れてしまう
つまり、「余裕=仕事が速い」と言い切る事はできないという事です。

今度は、先とは逆に期限ギリギリで行うメリットについて考えてみたいと思います。一見するとデメリットばかりの様に思いがちですが、ギリギリで仕事をすることには担当者ご本人にとって一定のメリットがあります。
・締切が明確なので集中力が高まる
・判断を早くできる
・余計なことを考えずに済む
・「これでいい」と割り切りやすい
・短時間で一気に仕事を完成させられる
・結果的に効率が良い場合もある
例えば、文章を書いたりアイデアを出したりする仕事では、締切が迫ることで集中力が高まり、短時間で良いものができることもあります。ですから、「ギリギリでやる=必ず悪い」という事では無いと言えると思います。

と、ここまで読んだだけでは良い事ばかりの様に思われるかもしれませんが、ギリギリには大きな問題があり、その最大の問題は、本人ではなく周囲にリスクを転嫁してしまうことにあります。

例えば、何かの期限が8月30日だったとして、
29日に担当者が完成

上席が確認

間違いが見つかる

修正

関係部署に回す

関係部署から質問

再修正
となったら、もう時間がありません。
つまり、「担当者が期限に間に合わせた」ことと、「組織として期限に間に合った」ことは別なのです。実はここがとても重要なのです。

周りの人から見た場合

では今度は、周りから見た場合について検証してゆきたいと思います。

余裕を持って仕事や作業を行なう人を周囲から見た場合には、
・確認する時間がある
・意見を言う時間がある
・修正をお願いできる
・次の担当者が準備できる
・スケジュールを立てやすい
・安心して仕事を任せられる
というメリットがあります。

つまり、余裕を持つ人は、自分だけではなく周囲に「時間」をプレゼントしているとも言えます。

では一方で、ギリギリで仕事をする人を周囲から見た場合には、
・突然仕事や作業が回ってくる
・確認する時間がない
・修正をお願いできない
・次の人が急いで対応しなければならない
・周囲の予定を崩す
・結果として周囲に残業や負担を発生させる
ということが起こります。

本人は、「ちゃんと期限内にやった」と思っていても、周囲からすると、「期限ギリギリに渡されて困った」となるわけで、ここに時間に対する認識のズレがあります。

組織全体から見た場合

今度は組織という視点で考えてみたいと思いますが、この視点になるとさらに違いが明確になります。

この視点では検証は一つしか必要ないと思います。なぜなら、組織において締切や期限を守らないという考え方は存在しないからです。
なのでここで検証するのは、余裕を持つ組織についてになり、例えば、「締切」ではなく、「締切より前に内部締切を設定する」という考え方になります。

例えば8月30日が本当の締切なら、
・20日:担当者完成
・22日:上席者確認
・24日:修正
・26日:最終確認
・28日:提出準備完了
・30日:正式提出
という流れになるかと思います。つまり、途中で問題が起きても吸収できるようになるので、組織にとって、この「余白」つまり「余裕」が非常に大切なのです。

「余裕」は保険である

私は「余裕」は絶対になくてはならないし、一番重要だと思います。その理由は明白で、

仕事や作業には必ず、
・急な用事
・人の病気
・機械の故障
・相手からの変更依頼
・認識違い
・ミス
・天候
・交通事情
・他の仕事との重複
など、予定通りにいかない要素があります。だからこそ、期限まで30日あるから30日使うという考え方ではなく、30日のうち、20日で終わらせて、10日を不測の事態のために残す。という考え方のほうが、組織や会社としては強くなることが出来ます。
つまり、余裕とは「暇」ではなく「リスクに対する保険」だという事に他ならないのです。

ギリギリで行うことは悪なのか

ここまで考えてくると、答えが見えてきたように思います。しかしここであえて私は、これまで書き進めながら感じたことを書き加えたいと思います。

「ギリギリで行う事は悪なのか」という事について考えるにあたって、2つの考え方が混同されがちではないかと思うのです。それはどういうことかというと、「ギリギリまで何もしないこと」と、「早い段階で作業の大半を終えておき、必要な工程を短期間に集中して行うこと」を混同することです。

例えば、「ずっと準備しておいて、最後の仕上げを締切直前に行う。」これは合理的です。一方、「締切直前まで何もせず、そこから全てを始める」というのは、これは危険です。
同じ「締切直前に仕事をしている」ように見えても、中身は全く違うという事なのです。

結論

私は、「仕事は余裕を持って進め、最後はギリギリまで使って仕上げる」のが最も良いと思います。つまり、着手は早く、完成は早めに、仕上げは必要に応じて期限まで使う。という考え方です。
もっと端的に言えば、「期限ギリギリまで仕事をしない」のではなく、「期限ギリギリになっても慌てない状態を作っておく」。これが組織における理想だと思います。

そして、組織運営という観点から特に大切なのは、自分が間に合えばいいのではなく、周りにいる人が仕事や作業をしやすい状態で渡す。ということです。
担当者が期限内に仕事を終わらせるだけなら「個人の仕事や作業」です。しかし、次の人が確認・修正・判断・準備するための時間まで確保して初めて、「組織の仕事や作業」として期限を守ったと言えるのではないでしょうか。
ですから私は、組織における「余裕」は単なる時間管理ではなく、周囲への配慮であり、組織の信頼を作るものだと考えるのです。

いやぁ今日のブログは、我ながら、ものすごく冷静な分析ができたんじゃないかなぁ。(笑)

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。