いけばなは、花を生ける技術だけではない | 人との会話から学ぶ「華道」の本質
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
昨日は神戸教室のお稽古日だったのですが、いつもとは違う場所でお稽古を行ないました。どこで開催したのかというと、奈良です。
神戸教室なのに奈良?って思われるかもしれませんが(笑)、今回は神戸教室にお越し下さっている生徒さんがお持ちの「奈良のサロン」をお借りして、お稽古を開催したのです。
いやぁ、いつもと違う場所に出掛けてゆくというのは、それだけで色々な刺激がありますね。そして昨日は、その中でも特に印象に残ったことがあったので、そんな事についてブログを書きたいと思います。
場所が変わると、見えるものや感じることも変わります
普段のお稽古は、いつもの教室で、いつもの環境の中で行なっています。もちろん、慣れ親しんだ場所には、その場所ならではの良さがあります。
しかし、いつもと違う場所に身を置くと、普段なら気にも留めないようなことが目に入ったり、いつもとは違う会話が生まれたりするものです。建物の雰囲気、空間の使い方、そこに置かれているもの、そして、その場所に込められた思い。そうした一つひとつが、新しい刺激になります。
昨日の教室では、生徒さんの奈良のサロンでお稽古をさせていただいたことで、普段の教室では聞く機会のなかったであろうお話を伺うことが出来ました。
その場所を作ろうと思った理由を、聞かせていただきました
今回、特に印象に残ったのは、このサロンを立ち上げられたきっかけや、その理由についてのお話です。一つの場所を作るということは、単に建物や部屋を用意するということではありません。
なぜ、その場所を作ろうと思ったのか。そこで何をしたいと思っておられるのか。その場所を通じて、何を大切にしたいのか。そういう思いや考え方があってこそ、その場所には意味が生まれるのだと思います。
今回お話を聞かせていただきながら、私は「なるほどなぁ」と思うと同時に、「これは、いけばなにも通じることだなぁ」と感じました。
いけばなも、形を作ることだけが目的ではありません
いけばなというと、花を切って、花器に挿して、美しい形に整えることだと思われがちです。もちろん、花をどのように生けるかという技術は大切です。しかし、私はそれだけがいけばなの本質ではないと思っています。
なぜ、その花を生けるのか。何を大切にして、その花と向き合うのか。そして、その花を通じて何を表現したいのか。
そうした思いや考え方があってこそ、生み出した作品に意味が生まれてくるのです。
同じ花材を使っていても、生ける人によって作品が違ってくるのは、単に技術の違いだけではありません。その人が何を見て、何を感じ、何を大切にしているのか。そういうものが、作品には自然に表れるものだからです。
今回、サロンを立ち上げられたお話を伺いながら、私は、場所づくりといけばなには、共通するものがあるなぁと改めて思ったのです。
お稽古は、花を生けることだけではありません
いけばなのお稽古というと、花を生けて、先生に見てもらって、手直しを受ける。そんな風に思っておられる方が多いと思います。しかし私は、お稽古の時間に得られるものは、それだけではないと思っています。
人との会話から新しい考え方を知ることもありますし、いつもと違う環境に身を置くことで、新しい気付きが生まれることもあります。そして、そうした経験が、巡り巡って自分のいけばなにも影響を与えてゆく。
だからこそ私は、花を生けること以外の時間や経験も、大切にしなければならないと思うのです。
お花を生ける。お花を生ける知識や技術を学ぶ。いけばなのお稽古なんですから、これらは当然の事です。しかしただそれだけで終わるのではなく、お稽古の後にお茶を飲みながら色々なお話をさせて頂く事によって、いけばなを通じて学んだ事を日常生活やお仕事に当てはめ、真理に近づくことが出来る。これこそがいけばなが「華道」と古来より呼ばれている所以に他ならないと思うのです。
昨日の教室では、そんなことを改めて感じる機会になりました。
内藤正風PROFILE

-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
最新の投稿
・いけばなから学ぶビジネス2026年10月29日いけばなは、花を生ける技術だけではない | 人との会話から学ぶ「華道」の本質
いけばな展2026年10月28日いけばな展って実は「お祭り」なんです | 作品を見るだけじゃない、楽しみ方のお話
いけばな展2026年10月27日作品の大きさによって、注ぐ力は変わらない | いけばな展で私が大切にしていること
いけばな展2026年10月26日日本いけばな芸術展、最後の一日です | 光風流の作品を少しだけお見せします
