透析に対する思い込みと間違ったイメージを払拭された日

こんにちは。内藤正風です。

暑い〜!ちょいと歩いただけで汗が出てビールが飲みたくなります。
まだ行かないといけないところがあるので、そこはグッと我慢して、冷たいコーヒーを飲みながら休憩かたがたブログを書いています。

色んな分野の第一人者の方の話を聞かせていただく価値

昨日は「兵庫神戸CSの会」という団体の例会に出席してきました。

この会では毎回、各界の第一人者の方を講師にお招きしてお話を聞かせていただくのですが、昨日は最先端腎疾患医療をめざし日々奮闘されている坂井瑠実クリニック医院長の坂井瑠実先生の講演を聞かせていただきました。

お話を聴かせていただいた感想は、透析に対する自分の思い込みに気付かせてもらえて、本当に良かったです。

透析に悪いイメージを持っていました

透析って、すごく悪いイメージを持たれている方が多いのではないかと思います。

週に3日ほど透析をしに病院に行かないといけない。
とても厳しい塩分制限や水分制限がある。
人間らしい生活が出来なくなる。
などなど。。。

実は私もそう思い込んでいました。

透析に対する間違った思い込みに凝り固まっていました

私の母は腎臓が悪く、私を妊娠した時には「腎臓が悪いので、子供を産むのは無理です。どうしても出産したいというならば、あなたの命は保証できません」と言われていたそうです。
なので私が中学生の頃には、透析をしないといけない様になっており、私が高校1年の時に透析中に亡くなりました。
いまから42年前の話です。

当時の透析は、いまから考えると、もの凄くレベルの低いものだったんだろうな〜と思います。だって母の左腕には透析の時に機械とつながる為のビニールパイプが2本、これでもか〜ってくらいに付いていましたし、一度の透析に朝出かけたら夕方に帰ってきていたように思います。
その上透析から帰ってきたら、しんどくてずーっと横になっていました。

体調が戻るのは透析に行った翌日の午後から夕方くらいになってで、その翌日にはまた透析に行ってフラフラになって帰ってくるって日常でした。

おまけに水分制限や塩分制限は半端なく、夏なんてクーラーの効いた部屋でじーっとしていないといけないし、食べるものはひたすらみずくさいもの。

そんな様子を身近で見ていたので、かなりの思い込みで凝り固まっていました。

昔とは全く違う透析

そんな私だったのですが、昨日坂井瑠実先生の講演を聞かせていただき、自分の認識の間違いと現状について改めて学ばせていただきました。

今は週3回1回3時間の透析で良くなっているそうです。
それもこれは最小のものであって、可能ならばもっと回数を沢山すればするほど、体への負担も少なく普通の人と同じ生活をすることも可能だということでした。

30歳代のサッカー選手もおられて、透析が終わってからランニングしてサッカー場に行ってトレーニングされたり子供さんにサッカーを教えたりされているとか、そのほかにも、今は在宅で透析が出来るようになっており、寝ている間に透析をすることも可能なんだそうです。

間違った認識を改めたい

坂井瑠実先生が特に講演の中で何度も「透析に対する間違った理解やイメージを改めたい」とおっしゃられていました。

私もこのお話を聞かなければ、間違った理解をしたままでしたから。

最後に坂井瑠実先生のクリニックのホームページのトップに書かれていた言葉が、まさに昨日の講演でお話しされていた事ですので、以下に引用してご紹介させていただきます。

坂井瑠実先生のメッセージ

お金の切れ目が命の切れ目と言われたつらい悲しい時代を経て、日本の透析はそれなりに進化して来ていますが、それでも生命予後は健常人の半分で、合併症は避けては通れず、過酷な水分、食事制限が必要です。

透析のない時代に腎臓の医者になり、透析の黎明期から透析にかかわり、悪戦苦闘して「透析の合併症は透析不足によるもの」もしくは「透析のやり方によるもの」であろうと思うに至りました。

日本の血液透析は週3回4時間がスタンダードとされていますが、一週間168時間働いている腎臓の肩代わりをたった12時間で済ますのですから、一滴も尿の出ない患者さんにとっては、厳重な食事管理をしてやっと生命維持が出来る透析量なのです。

CKD(慢性腎臓病)=CVD(慢性心臓病)と言われています。無尿の患者さんにとってはわざわざ慢性心不全の病名をつけなくとも心不全は存在し、心血管合併症を増悪させているのです。透析時間が長ければ長いほど、回数が多いほど合併症対策になると思っていますが、それでも“週3回1回4時間、一生”は気が遠くなるほどの時間です。

人間だれでも6~8時間は寝ますので、寝ている時間を透析に充てるのが合理的だと気が付きました。

そうすれば長時間透析も苦でなく、普通の生活が送れます。患者さんは高い医療費を使っている分、働いて税金を払っていただきたいし、社会貢献をしていただきたいと思っています。

また施設透析ではなく、CAPD同様自宅で血液透析をするという選択肢もあります。

坂井瑠実クリニックグループで現在約70人の方がご自分の家で血液透析をされ、充実したQOLが高い生活を送っておられます。

世界では在宅血液透析が急速に伸びています。アメリカでは週6回3時間の透析、カナダでは週5~6回・6~7時間のオーバーナイト透析が普及し、3000gのベビーが通常分娩できると報告されています。

本山坂井瑠実クリニックでは、CKD外来に加え週3回の透析はもちろん、隔日透析・週4回透析・PDとHD併用療法等少しでも長い時間の透析及び2日空きがない透析を目指しています。

特に“オーバーナイト透析”は在宅血液透析(HHD)につなげていきやすいので、自立をモットーに自己管理、安全対策に力を入れています。

HHDのトレーニングは通常の透析中に行うことを基本としますが、遠方の方は今のご施設で3回透析を行い、週1回土曜か日曜日でトレーニングを行うことも可能ですし、短期集中も可能です。

患者さんがお元気で合併症の少ない、普通の生活が出来るようサポートするのが長年透析にかかわった透析医の義務であり使命であると考えています。

一人でも多くの方々にご理解が得られることを願っています。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

坂井瑠実クリニック 理事長 坂井瑠実

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。