お正月に生けるお花は豪華でなくて良い

お正月には玄関に門松を飾ったりお部屋にお花を生けたりしますよね。
これって実は装飾として生けているのではないという話を昨日のブログでは書かせて頂きました。
興味のある方はこちらからどうぞ↓↓
お正月にお花を生けるのは部屋を装飾する為ではなく、幸せのキューピットを迎え入れる為なのをご存知ですか

なので門松やお部屋のお花に必要なのはたった一つのポイントだけです。このポイントさえ押さえておけば豪華にする必要なんてさらさらないんです。
そのポイントとは。。。


「松」を使う事ーー!!!!

「松」は日本人にとって特別な存在です

松は古来より神の依り代とされています。
依り代とはすなわち、目印とするモノであり、寄りつく(憑依)モノということです。

日本各地に伝わっている天女の羽衣という昔話があります。このお話はそれぞれの地域によって多少内容が違っていますが、その中で共通している点があります。
それは、天女が舞い降りてきたのは松の木の近くという事と、天女が羽衣を置いた(掛けた)のは松の木の枝であるということです。

まず一番目の”松の木の近くに天女が舞い降りた”というのは、「松」が目印とされていたと言うことの現れであります。これをお正月に置き換えると「門松」がそれにあたるのです。すなわち歳徳神が門松を目印にして降りてこられるということです。

二つ目の”天女が羽衣を松に置いた(掛けた)”というのは、そこに落ち着いたということです。私達でいうとお部屋に入ってリラックスするのに上着を脱いだっていう事と同じです。これをお正月に置き換えると、歳徳神がお家の中でリラックスして腰を据えて頂く場所ということです。

これを今のお正月に置き換えると、松を使った「門松」を目印として歳徳神が降りてこられて、お家に入られたらリラックスして腰を据えて頂く場所として「松」を使ったお花があると言うことですね。

キーワードに「松」は出てきますが、他に”豪華”とか”贅沢”とか”沢山”とかなんてまるっきりないですよね。

贅沢を削ぎ落とすとシンプルモダンな洒落乙になります

なので門松は、こんなので十分なんです。

 

はい。松一本です。

皆さん門松って聞くと、こんなのを連想されますよね。

 

ここに使われている”南天”や”葉牡丹”や”千両”や”笹”や”竹”などは、縁起物として使われてはいますが、なければならないものではありません。
絶対に必要不可欠なのは「松」だけなのです。

いい格好をしようとするのではなく、シンプルにするとオシャレになります。

これはお部屋のお花も同じです。
縁起物として色んな植物が使われていたり、見た目を華やかにするために色々なお花が使われていたりしているだけで、絶対に必要不可欠なのは「松」だけなのです。

”門松を飾る”とか、”お花を生ける”とかっていうと凄く大変に思われる人も多いのではないでしょうか。
しかし先に書いたように、歳徳神をお迎えして家族や職場なの仲間の幸せを願うのであれば、「松」を使って頂ければそれで用は十二分に足りているのです。
本数も問題ではありません。1本でも十分です。

カッコよく見せようとか、良いカッコしようとか思うからおかしくなっちゃうのです。物事の核心を見て本質を理解すればとてもシンプルになってくるのです。
是非今年は松1本で良いので、生けてみませんか。たったそれだけで幸せが待っているんですよーー。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。