本日、「名付け親」になりました。

先日から寒くて、事務所のファンヒーターが手放せなくなった、光風流家元 内藤正風です。

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本日「名付け親」になりました。

っていっても、私達「いけばな」をしている人間には、驚くような事でもないですし、そう珍しい事ではないのです。

「いけばな」には花名(かめい)と言うものがあります。
これはその字の通り、お花を通じて名のる名前です。
お弟子さんのお稽古が進み、ある一定のステップまで進むと、この「花名」を指導者の先生は名付けます。
この花名をつける段階や名付けのルールなどは、それぞれの流派によって様々です。中には花名の無い流派もあります。

光風流では「中伝」というステップになったら花名を名付け、男性は「風」女性は「甫」の一文字を名前の最後にいれます。

「風」は、光風流の流祖、内藤光風の一文字で、流祖の教えを忘れないようにとの意味があり、「甫」は、始まりと言う意味のある文字で、始まりを忘れないようにとの意味があります。

と言う事で、このたび私の直門に「中伝」になった者が出来ましたので、花名を命名したので名付け親になったと言う事なのです。

私は花名をつけさせていただく時には、色々と考えます。
皆さんのお名前にはご両親の思いや希望と言う「愛」が込められていますので、名前の文字をまずしっかりと理解させて頂きます。
辞書でその文字の持つ意味を調べたり、その文字の含まれた故事成語なども調べたりします。
ご両親が込められたであろう思いなども推測します。(これは私の勝手な推測ですが(苦笑))
その上で、その方のお名前に使われている文字の中に、私がその方に持つ思いや希望が伝わる文字があれば、その文字を出来るだけ使わさせて頂きます。
あるいは、読みの音が同じで別の文字をあてる場合もあります。
全く違う文字を使う場合もあります。
ただとにかく、私なりに願う事や思いや希望を込めて名付けさせて頂いています。

私は名付けと言うのはとても大きな意味のあることだと思っています。

最近は、皆さんお子さんの名前を付けられるときに、ご両親が名付けられるのが一般的ですが、以前は実の親以外の方に名前を付けてもらう事も珍しくはありませんでした。
それは、実の親以外の人に命名を頼むと言う事は、その子の将来にわたる後見役やご意見番としての意味や、時には生活の保証までも意味しているものであり、子供に対して将来にわたるサポートを親だけではなく、より多くの人が関わり行うという知恵でもあったのです。
ですから名付け親は、親戚の中の「本家筋」や職場の上役、学校の恩師、結婚した時の仲人などがなる事が多く、有力な後見人というニュアンスも含まれていたのだと思います。

このように名付けと言う事の持つ意味を考えると、たかが「いけばな」で用いる名前と言えども、名前をつけさせて頂くという事は決して軽々しい事ではないです。
生活の保障までできる甲斐性は無いですが。。。(汗)
なので私は、そのくらいの心を込めて、そして自分の知恵と知識を総動員して名付けさせて頂いています。

今回の方のお名前にも、私からその方への溢れんばかりの想いを込めて名付けさせていただきました。
もちろんその方だけにはコッソリと命名の由縁をお話しさせて頂きま~す(^^)
他の方にはナイショ♡

(笑)

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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