捨ててしまう人参のヘタを水に浸けて芽吹かせたものも、立派な”いけばな”です

こんばんは。
今日は生徒の皆さん熱心にお稽古してくださって、教室の時間が終わってもどなたも帰る気配すら無しと言う、”お腹すいたよ~” ”お許しくださいお代官様” 状態だった、いけばなの光風流家元 内藤正風です。
(笑)(笑)

 

我が家に新しい仲間が増えました。

ペットじゃないですよ。
家族でもないです。
道具でもないです。

我が家に新しく増えた仲間はこちら!!!

THE NINJIN!!

皆さん人参を買って使うときに、人参の頭って切って捨てちゃいますよね。
この人参の頭の部分を、小皿にちょっとだけ水を張って置いておくと葉っぱが出てくるんです。

ちなみにこの写真で、約1週間くらいたっています。

どうですか、なんか可愛くありませんか?
お花を生けるっていうと特別な感じを持たれている人も、これだと気軽に楽しんでいただけますよ~。

”いけばな”ってお花を生ける事だけをさす言葉ではありません

「いけばな」ってお花を綺麗に生けるとか、決まった形に生けるとか思われている方も多いと思いますが、これも立派ないけばなだと私は思っています。
え~こんなのはいけばなじゃない!!って言われる方もあるでしょうが、私がこれもいけばなだと言うのはなぜかを次に書きますね。

”いけばな”が花を生けると言う事だけではない理由

「いけばな」って”ひらがな”で書くと解りにくいですが、漢字で書くと「生花」とか「活花」と言う風に書きます。

●生(なま)の花と書いて生花(いけばな)
”いけばな”の「はな」は植物全般のことをさします。お花、葉のもの、木のもの、きのこ、果実、野菜、全て植物ってことです。
●生きる花と書いて生花
”生きる”とは、命あるモノと言う事で、命あるモノを使っているという意味。
●生かす花
”生かす”とは、そこにある命を大切にすると言う意味。
●生きよ花
”生きよ”とは、カ行上一段活用の動詞「生きる」の命令形で、生きよと命令するくらいに命を大切にして長らえさせるという意味。
●活かす花
”活かす”とは、花を活用するという事で、植物を有効に活かし役立てるとう意味。

他にもまだまだ挙げる事が出来るのですが、読んでいる皆さんが飽きちゃうでしょうからこのくらいにしておきますね(笑)

どうですか。
”いけばな”と言うのは、単に花を生ければいいと言うものではないと言う事をお分かりいただけましたでしょうか。

古来より植物は特別な存在とされているのです

古来より神仏には植物をお供えするのが一番良い事と言われています。
その所以は、地球上に生きているものの中で、植物だけが切り取っても生きている事が出来る存在だからなんです。
植物は途中で切っても、水に挿しておけばそのまま花が咲き続けていたり、根っこが出てきたりします。
こういう姿を見て、植物は人知を超えた存在であると考え畏敬の念を持ち特別な存在としてきたのです。

誰でも気軽に今すぐに出来るのが”いけばな”です

ヘタとして捨ててしまうのではなく、命の輝きを引き出す。
そこにあるモノを大切に考え、生活の中で楽しむ。
これってまさしく”いけばな”の本意なのです。

人参だけではなく、大根の頭や、ネギの根っこ、他にもいっぱいあります。
是非皆さんも”いけばな”を楽しんでみませんか?

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。