「短気は損気」と言うことわざから学ぶ、怒りは自分の視野を狭めると共に思考を停止させると言う事

こんにちは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

昔からの言葉に「短気は損気」と言う言葉が有ります。
年齢が若い時には、この言葉からあまり何も感じなかったのですが、年を重ねるごとにこの言葉の意味深長なことを改めて感じるようになってきました。

ええ、本当に短気は損しか生み出さないとつくづく思います。

怒りに身をゆだねたり操られない

短気を起こすとはすなわち「怒り」ですよね。
この「怒り」ってこと自体は、良くも悪くもないと思うのです。
「怒り」が大きな原動力になるのも事実だと思います。
しかしここで注意が必要だと思うのは、「怒り」に操られない、そして「怒り」に身をゆだねないって事です。

「怒り」はとてつもなく大きな力を生み出す

「怒り」は凄く大きな力を生み出します。
それも爆発的な大きな力です。
なので「怒り」のパワーは両刃の剣でもあります。
この力に振り回されると、周りだけではなく自分も同じように傷つけてしまいます。

例えば、自分の意にそぐわない事が起こって、イラッとします。
まあココまでは人間よくあることです。
で、ココで怒りを抑えよう、あるいは鎮めようとせずに、怒りを爆発させたとします。
その爆発は色々な形で現れますが、代表的な現れ方としては2つあると思うのです。
1つ目は、物にあたる。
2つ目は、人を攻撃する。

物にあたる

1つ目の「物にあたる」と、物が壊れますね(笑)
壁を殴ると壁が傷つきます。
何かを蹴ると、蹴ったものが壊れます。
この時に鉄柱蹴る人いないですもんね(笑)
壊れるようなものを選んで蹴っています。
何かを投げると、投げたものが壊れます。

これって確実に破壊王になっているので、色んなものが壊れます。
って事は、また買い直したり修理したりしないといけないので、明らかに損失が生まれています。

そして物が壊れるだけではなく、自分自身の心もその後に傷つきます。
「あぁ~あんな事しなかったらよかった~。。。」とか「なんであんなことしちゃったんだろう。。。」って、後悔とも反省ともいえないようなイヤ~な気持ちが残っちゃいます。

これどちらも、結局我が身に帰ってきちゃっていますよね。

人にあたる

2つ目の「人を攻撃する」と、人が傷つきます。
言葉で攻撃すると、相手が傷つきます。
こんな時は思いついた言葉を口にしちゃうので歯止めが効きません。
そして人によっては、他人に暴力をふるうという形で攻撃する人もいます。

言葉は消えますが、相手の人の記憶と心についた傷は消えません。
他人に暴力をふるえば、犯罪です。

これって、人間関係や信頼を失う事ですから、結局自分が丸損しているのです。

怒りは自分の視野を狭めると共に思考を停止させる

先に書いた「物にあたる」「人を攻撃する」なんてことは、普通に考えたら絶対にしたらダメだってことくらいは誰でもがすぐに分かる事ですよね。
けれど怒りに身をゆだね、操られてしまうと、こんな簡単な事すら判断する事が出来ない状態になってしまうのです。

「怒り」はとても大きなパワーを持っています。
だからこそ自分の中でグッと抑え込んでコントロールしないと、「怒り」のパワーに操られてしまうのです。
「怒り」のパワーを前面に出すと、正常な判断も思考も出来なくさせてしまいます。
アカンとわかっている事も、勢いでさせてしまいます。

「怒り」は、自分の視野を狭めるだけではなく時には盲目にさせます。
「怒り」は、自分の思考を悪くするだけではなく停止させてしまいます。

交渉などの時に、相手を怒らせて自分にとって有利な解答を導き出すなんて手法は、まさにこの「怒り」を逆手に取った方法だと言えます。

短気を起こして得をする事は、絶っっっっっ対に1つもありません。
損しか絶対にしないのです。
「短気は損気」大切な言い伝えですね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。