いけばな(華道)の学びは「人間力」になり、ビジネスにも通じる学びになる。

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

今日はお昼間に友達とゆっくりとお話しをする機会がありました。
それもシャレオツなオープンカフェで。(笑)

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待合せの時間よりもチョットだけ早く到着するようにして、。一人の時間を楽しんでみたのですが、こういうのって良いですね。

いつもは歩いてスタコラサッサと通り過ぎている景色を、ゆったりと座って眺めたり、目の前を通り過ぎてゆく人や車をボーっと眺めていたり、他の席に座っている人を目で追ったりしていると、なんか日常にある場所が非日常に見えてくるって面白いですよね。

「いけばな」はお花を生ける事だけに終始するものではない。

今日は友達と色んなお話しをしました。
顔を直接合わせるのは結構久しぶりなんですが、Facebookで日常を見ているので、久しぶり感など全くなく色んな話をしました。

そんな中で私なりに「いけばな」目線で感じたり思う事についても話をしたのですが、友達に結構っていうか、かなり大きな「へえぇぇ~」を感じてもらう事が出来たようで、友達から「家元って企業の顧問とかコンサルとかされているの?」とか、「家元の話ってビジネスコンサルよりも参考になる話やぁ」って言って頂いたりするような場面もありました。

まあ友達だから大げさに褒めてくれたんだと思いますが、けれど全く無い事には褒めようもないので、ちょっとくらいはそう思ってくれたのかなぁなんて感じています。

いけばな=華道  では華道とは?

そもそも「いけばな」とは、お花を生ける技術や知識の習得だけに終始するものではなく、この学んだ技術や知識を生かしてお花を生けたり飾ったりすることを通じて、皆が幸せになる事を目標としているものであり、私の流派には「華道は即ち人倫の法にて更に他の事にあるべからず。」という伝承があります。

まあこれだけ聞くと、はぁ??って事ですが、そもそも華道のように「道」がつくものは、「その道を通じて自分自身の内面を高め人間的に成長しましょう」と言う事が大きな目指すものとなります。
この ”自分自身を内面的に高め人間的に成長しましょう” と言うのはどういう事かというと、本質に目を向ける事が出来るようになり真理を感じる事が出来るようになりましょうって事に他なりません。

本質と真理

本質とは、物事の本来の姿のことです。
例えば椅子の本質とは「座る事が出来る」と言う事です。座る事が出来ない椅子は、椅子ではなくなってしまっていますよね。
例えば椅子の形をした装飾は、装飾であって椅子ではなくなっています。
ここを勘違いしちゃうと物事を正しく見定める事が出来なくなってしまいます。

そして真理とは、正しい物事の筋道のことであり、自然な流れや当然の事です。
いけばなが上手になりたかったらお稽古をする事。他の人よりもいけばなが上手になりたければ他の人よりも沢山お稽古する事。これ当然の事ですよね。すなわち真理です。

こうやって聞いたら「そんなん当然やん!!」って皆さん思うのですが、これが自分の身に起こる事には見えなくなってしまい振り回されちゃうのが人間なんです。特に年齢や経験が浅い時には尚更です。

しかし色々な経験をして年を重ねてくると、これまでに目の前で繰り広げられていても全く分からなかったり感じる事すらできなかった「本質や真理」がだんだんと見えるようになってくるんです。

この本質や真理を、お花を生けると言う事を通じて学ぶのが「いけばな(華道)」なのです。

いけばな(華道)の学びは「人間力」になり、ビジネスにも通じる学びになる。

本質や真理と言うことは「いけばな」だからという事に限定された狭い存在ではなく、世の中やビジネスや人間など全てに通用する事なんです。
すなわち「いけばな」をしっかりとお稽古して、その事を通じて学んだことは、世の中の事全てに通用するし、置き換えて考える事が出来ると言う事です。

先日私のブログの師匠の壁下陽一さんがご自身のブログ 11月16日 札幌で講演します。いや、IKEBANAします!! の中でこのように書いてくださいました。

日本の伝統芸能であるいけばな
侘び寂びの心 がどうのこうの… ってごめんなさい。
僕はわかりません。

ー中略ー

でも、一番知って欲しいのは生け花の心

家元はビジネス書とかほとんど読んだこと無いですけど、
言ってることは、僕が尊敬する藤村先生とよく似ています。
ほぼ同じ。

芸術の世界で生きている人が、少しビジネスを交えて話してくれるので
とっても聞きやすいですよ。

はい。壁下塾長が言われるように、ビジネスについて学んだことはいまだに一度もありません。(笑)

私自身40歳になる以前には、いけばなでの学びがこんなに色んなものに通用するとは、正直言ってあまり実感がありませんでした。
40歳を超えてから、そう言うことを感じるようになり始め、50歳を超えてからは「確信」となったのです。

わたしは「ビジネス」の事は全くわかりません。
だって「いけばな」一筋で今まで来た、単なるいけばな馬鹿ですから(笑)
しかしそんな私のお話を聞いてくださる人がある時や場所では、その人に合わせて、その人にとって解るであろう事例に置き換えてお話しをさせて頂くようにしています。

 

「華道は即ち人倫の法にて更に他の事にあるべからず。」
50歳を超えて、やっとこの言葉の意味がチョットだけ理解できたのと共に体現する事が出来るようになってきたのかなぁ。。って感じています。

また今日も、「いけばな」していて、本当に良かったーーって感じる事が出来た1日になりました!!

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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