「下生け」っていうのは、お料理でいう「下ごしらえ」と同じです。まさに「段取り八分」です。

「兵庫県いけばな展」前期の撤花の真っ只中の、光風流家元 内藤正風です。

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写真だけ見ていると、撤花なのか生け込みなのかわかんないですよね(笑)

 

昨夜は「兵庫県いけばな展」の会場から帰ってきてから、夜に作品の下生けをしました。
(そのおかげでブログがむっちゃ雑になっちゃいましたが。。。(苦笑))
「兵庫県いけばな展」は前期と後期が有り、今夜はその生け替えになります。
私は後期に作品を展示するので、その作品の下生けを昨夜行ったのです。

「下生け」っていうのは、お料理でいう「下ごしらえ」と同じです

今夜の作品の生け込みの時間は約2時間半程度しかありません。
2時間半なんて集中していたら”あっ”という間の時間です。
何も準備をせずに生け込みに臨んだら、時間が足りないわ、作品の完成度は低くなっちゃうわで、ヒッチャカメッチャカでえらい事になっちゃいます(^^;

いけばな展の生け込みというのは、お料理とよく似ています。

お料理を作るときには、そのメニューにあわせて事前に「下ごしらえ」をしますよね。
食材を切っておいたり、あく抜きをしたり、下味をつけてなじませておいたり。
鍋で煮炊きしたりフライパンを振るような段階は、最後の仕上げであって、「下ごしらえ」の如何でお料理の出来不出来の大半って決まっちゃいますよね。
「下ごしらえ」を手抜きするとエライことになっちゃいますよね。

いけばなの展覧会の作品の「下生け」も同じです。

作品のイメージにあわせて必要な枝と不要な枝を仕分けしたり、骨格となる形を作っておいたり、器に安定して留める事が出来るようにその土台をつくっておいたり。
こういう部分の準備をしっかりとしておかないと、生け込み本番でよい作品を仕上げる事はできません。

昔からの言葉に「段取り八分(はちぶ)」という言葉が有ります。

この言葉はたしか、大工さんなど職人さんの世界で使われていた言葉だったと記憶しています。
良い仕事をするためには、仕事の八分(8割)は段取りで占められ、残りの二分(2割)が実際の作業になるという教えだそうです。
しかしこれは職人さんの仕事だけに関する事ではなく、どんな仕事にも当てはまる事だと思います。
一つの仕事には、事前の準備がとても重要であり、この良し悪しが仕事の効率や出来に大きく影響してきます。
だからこそ、事前の準備を疎かにしてはいけないと言う事は重要だと思います。

いけばな展の生け込みも同じです。
生け込みの時間内に最高のパフォーマンスを発揮できるようにするためには、生け込みの始まる前にすでに勝負は始まっているのです。
準備が用意万端であればあるほど、何か思わぬ問題が起こっても焦ったりパニクったりせずに済みます。ってか、そういう突発の事までも楽しむ事が出来るようになります。

生け込み自体を楽しめるようになれば、一人前だと言えるでしょう。

楽しむというところには、心のゆとりもあるので自分の楽しさだけではなく作品の出来もよくなってきます。
周りの人への気遣いも出来るようになってきます。
折角のいけばな展なんですから楽しまなくちゃ勿体ないですよね。

さあ後期の生け込みも、ウキウキワクワクの楽しい時間になりそうです!

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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