私は光風流カレンダーの発行を通じて、”いけばな” を通じた「体験」と「共感」を皆さんに知って頂きたいと思っています

こんにちは。内藤正風です。

今日は教室でお稽古を行なったり、お見舞いに行ったり、カレンダーに掲載するいけばな作品の写真撮影の立ち合いを行なったりしてきました。
ちなみに今日のいけばな作品の写真撮影の様子ってこんな感じでした。

光風流ではカレンダーを発行しています

光風流では「カレンダー」を毎年発行しており、皆さん方にご好評をいただいています。

そんな私どものカレンダーの特徴は、光風流でお稽古されている皆さんから選抜した12名の作品を掲載しているという事です。
ちなみにこの選抜12名の中には、お稽古のまだ浅い方にも加わって頂いており、こういう方法をとっている流派は私どもだけではないかなぁと思います。

一般的に”いけばな”の流派のカレンダーって、家元や幹部の作品が掲載されているものがほとんどです。まあ当然そうなりますよね、だって、カレンダーって流派を代表するものでもあるのですから。

しかし私は、もっともっと沢山の人に興味を持って頂きたいし身近なものと感じて頂きたいので、光風流でお稽古されている全ての人に作品を掲載する機会を広げていきたいと思って現状に様な形になったのです。

人は自分の身近な存在にしか興味がない

人は自分の周りで起こっていることに興味がありますが、それは自分自身に直接あるいは間接的に関わりのある事柄にしか意識は向かないのです。

知らないオッサンが入院したという話を聞いても「ふぅ~ん」で終わりますし記憶にも残らないですよね。しかし自分の友達が入院したら、「えっ?どうしたん?」ってなりますし、入院している病院も一度名前を聞いたら自然に覚えています。

カレンダーも同じことがいえると思うのです。
いくら流派の幹部の先生が作品を生けられたカレンダーだと言っても、その幹部の先生を直接に知っているとか、日ごろのお稽古で関わりがあるとかって事でなければ、興味も半減以下になってしまいます。
たしかに掲載されている作品をみて「綺麗ね。。」くらいにはなるでしょうが、頭の上を通り過ぎる風になってしまうと思うのです。
しかし、一緒にお稽古している○○さんが生けた作品が掲載されているってなったら、あるいは自分の教わっている先生の作品が掲載されているってなったら、興味の強さは格段に大きくなりますよね。

興味を持って頂くことが出来なければ、どんなに良い作品が掲載されていても見て頂くことすらなくなっちゃうのですから。

自分の作品がカレンダーになる体験を沢山の人にしてもらいたい

私は”いけばな”とは、単にお花を生ける知識や技術を学ぶことだけに終始するものではなく、いけばなを通じて色々な体験をして人生を豊かにしてゆくことも忘れてはならないと思っています。

いけばな展で作品発表をするとか、海外でいけばなを生けるとか、いけばなを通じた体験には色々なものがあります。しかしそんな中で、自分のいけばな作品がカレンダーになる経験をしたことがある人って、そう沢山はおられないと思うのです。

だからこそ光風流でいけばなを学ばれている皆さんには、そういう体験もぜひしていただきたいと思うのです。

自分の体験したことは、他の人が同じ体験をしているのを見て共感できる

自分自身がカレンダーに作品を掲載した経験のある方は、これから先にカレンダーに掲載されている他の方の作品を見て共感を出来るようになります。

それは例えば、作品の構想を練るの大変だっただろうな~とか、材料を準備されるのに手間をかけられているな~とか、写真撮影に入る前に繰り返しお稽古されたんだろうな~とか、写真には写っていないような部分まで想像をすることが出来るようになり、そのことにより共感を出来るようになるんです。

わたしは人間が何かしらの行動を起こすには”共感”こそが大切だと思っているので、毎年12名ずつ共感できる仲間が増えるというのは単にカレンダーだけに留まらず、とても大きな力になると思っています。

来年は光風流創流60周年です

今撮影している作品は、来年度のカレンダーになります。すなわち令和2年度版です。
令和2年度版のカレンダーは、今年の10月くらいからお配りさせていただくようになりますので、お楽しみになさってくださいね。

ちなみに令和2年は光風流創流60周年の節目の年にもあたりますので、今まで以上に皆さんに興味を持って頂くことが出来るようにしてゆきたいと思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。