「基本」は最初に練習するのでレベルが低いものと思われがちですが、初心者から上級者まで全ての人に関わる核心が「基本」なのです

こんにちは。内藤正風です。
今日は移動のバスの中でブログを書いています。

昨日は雪が降って、もしかして教室が暇になっちゃうの??って思っていましたが、そんな事には左右されない熱心な皆さんが朝教室のスタートから最終最後までお越しくださり、とても充実した1日になりました。

そんな中、お稽古に来られている方とお話をしている中で「基本」って事についてお話ししたので、今日のブログで書きたいと思います。

「基本」と聞いてどんなイメージを持ちますか

「基本」って聞くと皆さんどんなことを思ったり感じたりされますか。
一番最初に習う事。
初心者。
レベルの低いもの。
って感じでしょうか。。。

確かに「基本」は一番最初に学びます。そういう事から「基本」ってレベルの低いものとか、初心者向けの事などと思われる方も多いと思います。
しかし私はいつも、「基本」はレベルの低いものではないですよ!とお話をしています。

「基本」をなぜ一番最初に学ぶのか

「基本」は一番最初にお稽古をしますし必ず学んで頂きます。その意味で言うと初心者が学ぶと言うのは間違いではありません。しかしこの見方は正しい理解でもありません。
それは、「基本」は初心者だけに必要なものではなく、上級者にも大切なものだからです。

「基本」とはすなわち”核心”に関わる重要な事柄なのです。だからこそ一番最初にお稽古して頂く必要があるのです。

BMXの選手は自転車の基本がバツグンに上手です

例えばBMXという自転車競技があります。これは自転車に乗ってダートコースを走ったりジャンプしたりクルクル回転したりする競技なんですが、この選手たちは全員自転車の基本はバツグンに上手です。
自転車の基本とはすなわち、走る・曲がる・停まるです。

BMXの選手たちは、普通に自転車に乗っていて”コケなさい”って言われてもコケられないと思います。
街で普通に走っていて”曲がり損ねなさい”って言われてもちゃんと曲がっちゃうと思います。
停まれずに行きすぎてしまいなさいって言われてもチャンと停まっちゃうと思います。
だってそれだけ基本が身についているからこそ、ジャンプしてもちゃんと着地できたり、クルクル回ってもコケなかったり、ウイリーしていくらでも走る事が出来たりするのです。

そう、走る・曲がる・停まるが異常なほどしっかりと出来るからこそ、ジャンプやウイリーやターンに結びついているのです。
すなわち「基本」は、どんなに上級者になっても、どんなに変化応用したステップに入っても、必ず関わりがあるし大切なものだという事なのです。

「基本」はその習熟度に応じて理解が全く違ってきます

基本の中の同じ1つの事柄であっても、初心者が学ぶ基本、中級者が学ぶ基本、上級者が学ぶ基本は、マルッきり違います。

それは同じ話を聞いても聞く人の習熟度や、経験、置かれている環境、心のありようなどによってポイントとして心に残るものが違ってくるからです。まさしく世阿弥の有名な言葉"花は観手に咲く"なんですよね。

上級者や熟練の人ほど「基本」を大切にしている

上級者は「基本」もしっかりと身に着けていますし決しておろそかにはしません。
「基本」="初心者のもの"とか、"レベルの低いもの"という見方をするのは、その考え方をしている人自身がまだまだ未熟で、「基本」の大切さを分かっていないって事なのです。

新しい事に挑戦する事も絶対に忘れてはいけません。だって自分を成長させてくれるのですから。
しかし「基本」と言う足元がしっかりとしていなければ、新しい事に挑戦しても大きな飛躍や成長は望めないのです。

「基本」の大切さを知り、おろそかにしない様にしたいものです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。